近年、日本各地で大小さまざまな地震が相次いでいます。
南海トラフ地震も避けては通れず、「いつ発生してもおかしくない」といわれていますが、十分な備えはできていますか?
非常持ち出し袋は用意していても、家の家具への対策が不十分だと大きな被害にあう可能性があります。
今回は、地震に備えた家具対策が必要な理由と、具体的な対策を解説します。
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弊社へのお問い合わせはこちら地震に備えた家具の対策が必要なのは転倒による被害が多いから
地震に備えて家具の対策が必要といわれているのは、過去の震災での苦い経験が元となっています。
まずは1995年(平成7年)に発生した、マグニチュード7.3、震度7を記録した阪神・淡路大震災での被害状況を確認しましょう。
阪神・淡路大震災では約6割の部屋で家具が転倒
阪神淡路大震災では、住宅の全半壊といった被害がなかったにもかかわらず、家具が転倒したりモノが散乱したりする被害が相次ぎました。
食器棚の扉が開いて食器が散乱し、本棚の本が雪崩のように崩れ落ちることで足の踏み場がなくなってしまったのです。
そのため逃げ遅れる人や室内でケガを負う人が続出し、ケガ人の実に46%が家具の転落や落下が原因だったといわれています。
これは室内に家具や家電を多く配置するようになった、近年の住宅事情の影響です。
いくら建物が無事でも、家具が転倒すれば下敷きになって大けがをしたり、室内が散乱して避難が遅れ、火災に巻き込まれたりする可能性があるのです。
震度5強でタンスが倒れる可能性
平成8年には、気象庁が「震度5強でタンスなど重い家具が倒れ、テレビが台から落ちてしまうことがある」と発表しました。
震度4、5の地震はいまや珍しいものではありません。
家具が倒れて避難経路を断たれてしまうことがないように、家具を適切に配置し、しっかり固定するといった対策をとることが大切です。
地震対策に適した家具や家電の配置とは
家具が倒れないように固定することはもちろん大切ですが、それ以前に家具をどう配置するかが重要です。
まずは地震対策として、家具の配置を見直してみましょう。
そもそも家具を減らせないかを考える
家具の転倒被害を減らすのにもっとも効果的な方法は、家具を置かないことです。
家具の配置を考える前に、まずそもそも家具を減らせないかを考えましょう。
洋服ダンスのなかにしまわれている洋服を減らせば、大きなタンスは不要にならないでしょうか。
活用していない押し入れがあれば、そちらを洋服ダンスにリフォームするだけで、倒れてくる心配もなくなります。
震災の対策を練るために、まずは荷物を減らすことで不要になる家具がないかを考えてみてください。
家具が倒れる向きを考える
どうしても必要な家具については、置く場所や向きを検討します。
とくに寝室に関しては、就寝中身動きが取れないまま家具の下敷きにならないよう、慎重に見直す必要があります。
寝室に洋服ダンスを置く場合には、ベッドや普段布団を敷く場所に倒れ込まない位置に配置しましょう。
また寝室から避難できるよう、倒れたときでもドアが開く場所に配置することも重要です。
家電の位置にも注意
家具だけではなく、家電についても配置に注意が必要です。
たとえばテレビ台にそのままテレビを乗せているケースでは、地震の衝撃で台からテレビが飛び落ちてしまう可能性があります。
布団を敷いて寝ている場合には、テレビが落ちてくる場所に頭が来ないよう注意しましょう。
避難経路から家具の配置を考える
各部屋から玄関への避難経路を考慮して、家具の配置を考えることも大切です。
廊下に背の高い家具を置いていることはあまりないと考えられますが、背が低い家具であっても引き出しが飛び出たり、扉が開いたりしてなかのものが散乱するかもしれません。
そうすると、慌てて避難するときにつまずいて転倒してしまう恐れがあります。
夜間の地震で停電してしまった場合には、足元を確認できずに危険であるため、基本的に廊下には家具類は配置しないようにしましょう。
家のなかに「安全スペース」を確保する
家のなかのどこか1か所、ものが倒れ込んでくることがない「安全スペース」を確保しておくと安心です。
たとえばリビングには背の高い家具を置かないようにしておけば、緊急地震速報が鳴ったときにはリビング中央に避難することで家族の安全を確保できます。
家具の地震対策で使える転倒防止器具の種類
家のなかの家具をできるだけ減らしても、すべての家具をなくすことはできません。
配置に気をつけたうえで、さらに家具を固定すると格段に安全性が高まります。
ここからは、家具の転倒防止に役だつ器具の種類や使い方を紹介します。
L字金具で固定する
L字金具は、文字どおりL字型になった金具です。
地震による家具の転倒防止にはもっとも効果が高く、ネジでしっかりと固定することで転倒を防ぎます。
ただし固定するときには、壁のうしろに柱が通っている場所にネジ止めしないと、石膏ボードなどにとめただけではカベを引き破って転倒する恐れがあります。
賃貸物件でカベに穴を開けられない場合には、粘着シートで接着する種類もあります。
ネジで固定するより強度は劣りますが、なにも対策しないよりは安心です。
はがすときには、シールはがしなどを使用してゆっくりはがすといいでしょう。
ただし壁紙がビニールクロス以外のケースでは、壁紙を損傷する可能性があるので注意が必要です。
ベルトやチェーンを利用する
家具を配置した場所に柱が通っていない場合には、家具に金具を取り付けて、そこからベルトやチェーンを使って天井の柱に固定します。
金具とベルトやチェーンがセットになった器具が販売されているので、利用するといいでしょう。
伸縮棒やポールで突っ張る
伸縮棒やポールで突っ張る方法も、家具の転倒防止対策としてよく知られています。
天井と家具の間が狭く、さらに家具の奥行きがある場合には効果を発揮します。
そうでなければほかの対策を検討するか、粘着ゴムをかませて固定するといった方法を考えることをおすすめします。
商品によっては、家具と天井の間が20cm未満でないと効果を発揮しないとされている種類もあるので、内容を確認して購入するようにしましょう。
なお、家具が倒れるときには手前側は下がるように、奥側は上がるようにして前に倒れます。
伸縮棒やポールといった種類の固定器具を使用するときには、家具の手前ではなく壁に近い奥側に設置することがしっかり固定して転倒被害を防ぐポイントです。
ストッパーを家具にかませる
家具の手前にストッパーをかませ、ややうしろに傾けることで倒れにくくする方法です。
重心をうしろにずらすため、揺れを抑える効果がありますが、単体では大きな揺れに対する効果は弱いため伸縮棒などと併用するのがおすすめです。
粘着マットを小さな家具や家電に取り付ける
粘着マットは、家具や家電に取り付けることで地震の衝撃を吸収して転倒を防ぐグッズです。
粘着性と弾性のあるゴムのような製品で、粘着テープを使用しないため、はがしてもあとが残りません。
水で洗うことで何度も使えること、透明で目立たない種類があることもポイントです。
比較的重量のない家具や、台の上に家電を配置するときに利用するといいでしょう。
まとめ
地震では家具の転倒によるケガが多いことを認識し、自宅内の家具の配置に気をつけることが大切です。
とくにとっさに動けない就寝中に大きな被害にあわないために、寝室の家具の配置は慎重に検討しましょう。
また避難経路となる廊下などには、極力家具は置かないことも地震対策として有効です。
地震対策グッズにはいろいろな種類があるので、家具や家電にあったタイプを選んで取り付けておくと安心ですよ。
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