マンションの購入を検討している方にとって、どのような建物にしようか悩むことでしょう。
なかでも特徴的なのが雁行型(がんこうがた)のマンションで、魅力的なデザインです。
そこで本記事では、雁行設計の基本情報とメリット・デメリットについて解説します。
建物の規模や築年数、内覧する時期などによってメリットとデメリットが変わるため、購入時はよく検討してみてください。
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まずは雁行設計とは何かについて、基本情報を確認しましょう。
「雁行」の意味を理解していれば、納得しやすいデザインです。
ここでは雁行設計の詳細と、他の建物形状のご紹介をします。
雁行型
雁行設計とは、マンションの住戸をずらしながら配置する建物形状です。
雁というカモ科の鳥が群れで空を飛ぶとき、斜めにずれて隊列を組む形に似ていることが由来になります。
V字型で列をなして飛んでいるのが特徴的で、身近な例だと自転車のロードレースや、スピードスケートのパシュートなどで見られる隊列です。
見る位置を変えたり、時間帯をずらしたりすると違った景色になり、とくに朝日や西日のような光で見える外観は魅力的です。
単調さのないデザインなので、一般的なマンションよりも魅力があります。
ようかん型
ようかん型は建物に凹凸がなく、目立った特徴のない建物形状です。
用語名のとおり、ようかんのような四角い形状をしていて、多くのマンションがようかん型になります。
住戸をずらさないため建築が雁行型と比べて簡単で、建築費を抑えられるのが利点です。
また耐震性が高くメンテナンス費を抑えられるのも利点ですが、雁行型と比べてしまうとデザインに魅力がありません。
外観で魅力を出すにはマンションの規模を大きくするくらいで、シンプルなデザインが多いのがようかん型の特徴です。
斜面型
斜面型は斜面を利用したデザインで、山があって景色が良いエリアに多い建物形状です。
他にもひな壇型や階段型などの名称があり、どの住戸に住んでも眺望が優れています。
とくに斜面型だと海に近く、採光条件が良いのが特徴です。
バルコニーやテラスが付けば外でも快適に過ごせて、ゆったりとした生活ができます。
斜面なのでエレベーターがなく、階段を使用しているマンションが多いです。
景観は圧倒的な迫力があり、美しい景色とよく似合います。
マンションのデザインにおける雁行設計のメリット
雁行設計のデザインをしたマンションに住むと、得られるメリットが多くあります。
人によってメリットと捉えるポイントが異なる部分がありますが、快適な住環境を提供してくれるのが魅力的です。
雁行設計にどのようなメリットがあるのかを確認していきましょう。
採光条件が良い
時間帯や季節によりますが、雁行設計にすると採光条件が良いメリットがあります。
光がよく当たるなら干した洗濯物が乾きやすくなり、部屋の中も明るいです。
部屋の中に光が入れば電気を使う時間も少なくなり、電気の節約にも繋がります。
ただし、採光条件は人によって要求するものが異なり、あまり光が入らないほうがメリットと感じる方もいるでしょう。
たとえば夏の日差しが部屋に入ると暑くなるため、前にずれている住戸に隠れるような部屋だと日差しが入りにくくなってメリットになります。
他にも高層マンションで直射日光が当たる部屋になると、紫外線を気にする方もいるでしょう。
昼間なのにカーテンを閉めて過ごすのではなく、住む部屋自体を変えて対策すれば快適な暮らしができます。
美観が際立つ
雁行設計のデザインだと、美観が際立つメリットがあります。
住戸がズレない一般的なマンションだと味気なく感じてしまう方にとって、雁行設計は理想の住居です。
帰宅するだけでも眺めの良さを実感し、自分がそのマンションに住んでいる優越感に浸れます。
とくに誰かを自分の部屋に招待するとき、外観で好印象を持ってもらえることでしょう。
さらに階数の高い部屋に住めば、街中の景色を見渡せてきれいです。
角部屋
構造がどの部屋も角部屋に似ているため、得られるメリットが多くあります。
たとえば住戸と隣り合わない構造により、騒音によるトラブルがありません。
仮に住戸が隣り合った状態で壁が薄いと、少しの音や衝撃でも騒音になります。
しかし、雁行設計なら住戸同士の接する面積が少ないため、ストレスのない生活を送りやすいのがポイントです。
他にも、角部屋は窓が多くあることから通気性が良いこともメリットとなります。
窓が多いと風のとおり道ができて、湿気やカビ臭くなるのを防げるのが嬉しいポイントです。
また、複数の窓から見える景色が多くなるため、高層に住むほど景色が壮大になります。
窓だけではなく角部屋はベランダの数が多く、余った空間でガーデニングをして楽しむのも良いでしょう。
マンションのデザインにおける雁行設計のデメリット
雁行設計には得られるメリットが多くあることを解説しましたが、同時にいくつかのデメリットがあります。
雁行型だからこそメリットが生かされない部分なので、デメリットの把握が必要です。
どのようなデメリットなのか、確認しておきましょう。
プライバシーが保たれない
雁行設計のマンションだと、プライバシーが保たれないデメリットがあります。
住戸がズレることによって、前列の住戸から後列の住戸をベランダや窓から覗けば丸見えです。
目を合わせなければ問題ありませんが、気まずくなるのを避けたい方にとってはデメリットになるでしょう。
反対に住人とコミュニケーションを取りながら暮らしやすい環境を望んでいるなら、少なくとも自分のデメリットはありません。
しかし、室内を覗かれないように窓やカーテン、室内の配置などを考えておくのが得策です。
たとえば窓ガラスに貼る目隠しシートを使用すれば、プライバシーの確保と防犯対策に繋がります。
値段は1,000円〜2,000円前後なので、低コストで対策可能です。
あらゆる費用が高い
雁行設計のマンションは特別な形状をしているため、あらゆる費用が高いデメリットがあります。
具体的には施工費やメンテナンス費用がかかり、雁行以外の設計のマンションよりも割高です。
とくに中古でマンションを購入した場合、大規模修繕は築年数が20年を過ぎたころにおこなう必要があります。
管理組合が管理している管理状況やどれくらいのメンテナンス費用がかかるかは建物次第ですが、数百万円〜数千万円かかるでしょう。
具体的には色が落ちてしまったところに塗装や防水加工をしたり、外構の修繕をしたりなどが挙げられます。
購入を検討する段階でマンションの規模や築年数を調べておけば、工事費用がどれくらいかかるかを把握できるため確認してみてください。
日影が生まれやすい
季節や時間帯などによりますが、日陰が生まれやすいデメリットがあります。
住戸の最前列なら日当たりがよく、室内を照らしてくれて快適です。
しかし、後列になると日陰になって昼間なのに室内が暗くなる可能性があります。
真夏の猛暑なら強い日差しが部屋に直射しないメリットがありますが、それ以外ではデメリットといえるでしょう。
購入する前に昼間の時間帯に内覧をし、光の加減を確認しておくのが良いでしょう。
まとめ
マンションのデザインにおける雁行設計とは、住戸をずらしながら配置する建物形状です。
採光条件が良く角部屋のメリットがありますが、プライバシーの確保が難しいため対策が必要になります。
また、メンテナンス費用にかかるお金が大きいため、購入時は不動産情報と内覧に注力してください。
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