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金融機関から住宅ローンの借り入れをおこなう場合、多くの金融機関が「団信」への加入を要件としています。
正式名称を「団体信用保険」といいます。
しかし持病を抱えていたり、健康状態に不安があったりするときには、審査を通過できず団信に加入できない可能性があります。
団信に加入できないと住宅ローンを借り入れることができず、住宅を購入するのが難しくなります。
しかし団信に落ちたら絶対に家が買えないというわけではありません。
今回は健康状態の不安が要因で団信の審査に落ちてしまった場合も加入できる可能性がある「ワイド団信」の概要や、デメリットとして注意すべきポイントを解説します。
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団信に落ちて悩まれている方はこちら住宅ローンの団信に落ちたあとの対策「ワイド団信」とは
ワイド団信とは「通常の団信に比べて加入条件が緩和された団信」です。
一般的に団信に加入するとき、生命保険の加入時と同様に健康状態について告知をします。
告知した内容によって加入の可否が決まり、団信に加入できなければ住宅ローンを借り入れることができません。
しかしワイド団信であれば健康状態面での条件が緩和されているので、健康状態に不安のある方でも審査を通過できる可能性があります。
金利が上乗せされるなどのコストの増加はありますが、その分条件が緩和され、加入しやすくなっているのがワイド団信なのです。
ワイド団信で加入した実績のある病気
過去にワイド団信の審査を通過した実績のある病気をご紹介します。
●糖尿病、脂質異常症などの代謝異常による病気
●狭心症、心筋梗塞などの心臓・血管の病気
●脳卒中やてんかんなどの脳の病気
●自律神経失調症や適応障害などの精神・神経の病気
●潰瘍性十二指腸や、肝炎などの内臓の病気
●喘息、肺炎などの呼吸器の病気
●貧血、白血球の数値以上などの血液の異常
●バセドウ病などの免疫異常の病気
●子宮筋腫、卵巣嚢腫など女性特有の病気
上記の持病を持つ方の場合、通常の団信では審査の通過が難しいのですが、ワイド団信の場合は過去に審査を通過した実績があります。
ワイド団信でも加入するのが困難な病気
ワイド団信は通常の団信と比較して健康状態の条件が緩く、持病があっても加入できる可能性が高まりますが、一方でワイド団信であっても病気の状態によっては加入が難しい病気もあります。
●がん
●糖尿病
●うつ病
●適応障害
ワイド団信に加入するときは、過去3年間の病歴、治療歴を告知することが義務となっています。
そして病気の進行具合や状態によってはワイド団信の審査も厳しいことがあり、金融機関は事前に加入できるかのボーダーラインを開示していないので、実際に加入できるかどうかは審査を受けてみるまでわかりません。
たとえ審査通過実績のある病気であったとしても、病状によってはワイド団信への加入が難しい可能性もある点は認識しておきましょう。
住宅ローンの団信に落ちたときに活用するワイド団信の補償内容
ワイド団信の補償内容は一般団信と変わらず、「事由に該当又は罹患(りかん)すると住宅ローンの残金がゼロ円になる」とされています。
つまりワイド団信で定めている事由に該当する病気や状態になると住宅ローンの残債が補償金として支払われ住宅ローンの返済に充てられるため、住宅ローンの残金が0円になるのです。
補償金が支払われる事由は以下の通りです。
●保険期間中に死亡する
●両目の視力を永久に失う
●中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要する
●両上下肢とも手足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失う
●言語またはそしゃくの機能を全く永久に失う
●保険期間中に医師の診断書などで保険会社により余命6ヶ月以内と診断された場合
以上の状態になると、補償金が支払われます。
住宅ローンの団信の審査に落ちたときの「ワイド団信」のデメリットとは
一部の金融機関でしか取り扱っていない
ワイド団信を扱っている金融機関は限定されています。
どこの金融機関でも扱っているわけではないので、選択できる金融機関が限られる点はデメリットといえるでしょう。
通常よりも金利が上乗せされる
ワイド団信の加入は0.2~0.3%金利が上乗せされることがほとんどです。
そのため通常の団信と比べると総返済額が高くなってしまう点もデメリットです。
加入する場合には金融機関もある程度リスクを負っているため金利を上乗せしていると考えられます。
加入できる病気の基準があいまい
ワイド団信に加入できる病気の状態かどうかはあいまいなところがあります。
一般団信に比べ、加入できる条件が緩和されているというものの、実際にどの程度の症状、状態であれば加入できるか明確な基準はありません。
そのため実際に申し込んで、審査を受けてみないと加入できるかどうか分かりません。
ワイド団信の審査にも落ちたときは「フラット35」
一般団信、ワイド団信両方の審査に落ちてしまったけど、どうしても住宅が欲しいというかたは「フラット35」を活用することをおすすめします。
フラット35は団信の加入を必須にしていないので、そもそも審査を受ける必要がありません。
そのためフラット35であれば、収入や職業などの条件がクリアできれば借りられる可能性は非常に高くなります。
フラット35は住宅金融機構と民間の金融機関が提携して、提供されている全期間固定型金利の住宅ローンです。
団信に加入するときには金利に加えて「特約料」を払う仕組みですが、フラット35で団信に加入しなければ、特約料を払う必要もありません。
そのため総返済額が減少します。
ただフラット35では万が一の事態があったとしても住宅ローンの残金はゼロにはなりません。
この点は大きなデメリットとなるので、注意する必要があります。
残ってしまった住宅ローンは家族が引き継ぐことになるので、ローンを借りる前に万が一の際にはご家族だけでもローンが返せるか確認しましょう。
ローンの返済が難しいと分かる場合には対策をする必要があります。
自身で加入している生命保険や勤務先の福利厚生、団体定期保険で万が一の場合に住宅ローンの残金支払いをカバーできるかどうかを事前に確認したうえでローンの借り入れや住宅購入を決めるとよいでしょう。
まとめ
住宅ローンを借り入れる時に健康状態を理由に一般団信の審査に落ちた場合でも「ワイド団信」の審査ならば通過できる可能性があります。
団信に加入すると、万が一のことがあったとしても遺族は住宅ローンの返済がなくなるため、加入できるだけで安心できます。
ワイド団信では心筋梗塞や肺炎など、通常の団信の審査は通過が難しい人であっても病状によっては加入できる可能性があります。
健康状態に不安があり通常の団信への加入が難しい方でも住宅ローンの借り入れを諦める前にワイド団信の審査を受けてみる価値は十分にあるといえるでしょう。
ただし金利は通常の団信に加入した場合と比べて0.2~0.3%程度上乗せされ、総返済額は高くなります。
万が一の際は安心できるワイド団信ですが、毎月のローンの返済額に無理はないか、事前にきちんと確認しておきましょう。
ワイド団信の他にも「フラット35」を利用するなど、住宅を購入するための資金を借り入れる方法はあります。
フラット35を借り入れて住宅を購入するのであれば、自分に万が一のことが起こった時を想定しておきましょう。
自分で住宅ローンが払えなくなったときに引き継ぐのは家族なので、しっかりと対策をしておくことが重要です。
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