マンションを売却しようとするときは、まずは不動産会社に査定を依頼します。
査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類がありますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか?
今回は、気になるマンションの査定方法について、詳しく解説します。
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弊社へのお問い合わせはこちらマンションの査定方法①机上査定とは?
机上査定とは、簡易査定ともいわれる方法で、現地を訪問せずに過去の取引データなどを参考に査定価格を出すことをいいます。
机上査定の方法とチェックするポイント
まずは直近3か月の周辺の成約事例を3~4件ピックアップし、成約価格から㎡あたりの単価を算出します。
そこに以下のような要素をもとに補正をかけ、査定価格を算出します。
●所在地
●築年数
●占有面積
●相場の変動
●建物の外観
●部屋の向き
●間取りの使いやすさ
●競売など個別の事情
机上査定のメリット
机上査定のメリットは、なんといっても手軽であることです。
現地を訪問せずに査定できるため、一括サイトなどから依頼する査定にも用いられています。
立ち会いも不要ですし、書類を準備する必要もありません。
また、査定価格が出るまでの時間が短く、最短で1日、遅くとも3日以内には査定価格を知ることができます。
机上査定のデメリット
机上査定の大きなデメリットは、やはり精度が落ちることです。
直近3か月以内に同じマンション内の成約事例があれば、比較的精度の高い査定が可能ですが、成約事例のピックアップの仕方によっては査定価格が大きく変わることがあります。
成約事例のピックアップは、担当者のセンスによるところも大きく、AI査定などではマンションごとの個別の事情が反映されにくくなります。
一括サイトで机上査定を依頼すると、会社によって査定価格が異なるのはこのためです。
室内の状態は過去の事例と同程度であるという仮定で評価されますし、眺望などの個別の要素は評価されにくくなります。
また、管理組合の将来を見据えた取り組みなどがプラス評価になりにくく、修繕積立金の値上げなどが稀にマイナス評価となってしまうことさえあります。
手軽なはずの机上査定ですが、一括査定などを利用した場合は、多数の不動産業者から一気に連絡が入るため、電話の対応やメールの確認が意外と面倒ということもあります。
マンションの査定方法②訪問査定とは?
訪問査定とは、文字どおり現地を訪問し、所有者にヒアリングなどもした上で個別の要素を詳細にチェックする査定方法です。
個別の要素が多い土地や戸建ての場合は、基本的には訪問査定がメインとなります。
マンションの査定においても、実際に媒介契約を結ぶときには訪問査定が必要になります。
訪問査定の方法とチェックするポイント
訪問査定であっても、現地を訪れる前にあらかじめ机上査定で使うデータを準備していくため、現地では主に以下のような査定物件の個別の要素を丁寧に確認します。
●周辺の環境(交通量や坂道の有無、買い物施設までの距離など)
●マンション外観のグレードと劣化具合
●共用部の状態
●室内で感じる騒音や臭気の有無
●内装のグレードと劣化具合
●リフォーム履歴とその内容
●管理規約の内容(ペット飼育の可否など)
●管理組合の運営状況(主に修繕履歴や長期修繕計画)
訪問査定のメリット
訪問査定の大きなメリットは、正確な査定価格が知れることです。
とくに眺望や日当たりについては、机上査定と訪問査定で評価が変わりやすいポイントです。
マンションの場合はとくに購入者の関心が高いポイントになるため、単に階数と部屋の向きだけで評価してしまうよりも評価が高くなることもあります。
室内の状態については、お子さまがいらっしゃるか、ペットを飼っているかなどでコンディションが大きく異なってくるため、これも築年数だけで判断することはできません。
丁寧に使ってこられたお部屋であればあるほど、訪問査定で初めて評価できるポイントは大きくなります。
また、築年数の古いマンションの場合は、管理組合の運営状況によって建物の状態が大きく異なります。
適切な修繕をしっかり行っているマンションを、そうではないマンションと同じ基準で査定してしまうことで、価格が引きずられてしまう可能性があります。
一概に築年数だけで判断するのではなく、管理組合の過去の取り組みなどからしっかりと補正し評価する必要があります。
訪問査定のデメリット
訪問査定のデメリットは、やはり時間と手間がかかることでしょう。
現地調査に1~2時間程度の時間が必要になり、書類などもあらかじめご用意いただく必要があります。
詳細の査定書の作成にも、個別の条件をどの程度価格に反映させるかの分析のため、早くても3日、平均で1週間程度の時間がかかります。
また、遠方などで立ち会いができない場合や、査定物件が賃貸中である場合は、訪問査定自体が難しくなります。
訪問査定に費用はかかる?
一括サイトなどの広告に「無料査定!」などと表記されていることも多いため、誤解を生みやすいかもしれませんが、訪問査定に費用は一切かかりません。
「売るかどうかは決めていないけど、資産状況を把握するために査定価格が知りたい」という場合でも、費用の負担なくお気軽にお申し込みいただけます。
ただし、査定の前にハウスクリーニングをする場合には、そうした費用は自己負担となります。
近年、都心部のマンション価格は上昇傾向にあるため、住み替え先を探しつつ売却時期を見極めるという方もいらっしゃいます。
査定価格を見て「今は売らない」という決断でもまったく問題ありませんし、担当者の方が「1年後に再度検討しましょう」と提案することもあります。
マンションの査定方法③訪問査定のときに用意しておくべき書類とは?
訪問査定のほうがより詳しい評価ができることはわかりましたが、不動産には現地でわかる情報以外にもさまざまな重要情報があります。
訪問査定の前にいくつかの書類をご用意いただくと隠れたアピールポイントを評価しやすくなります。
マンション全体に関する書類
分譲時のパンフレット
分譲時のパンフレットには、査定の際にも参考になる情報が掲載されています。
たとえば、設計が著名な建築家であるとか、構造に関する情報、時代特有のデザインや贅沢な仕様、充実した共用施設などアピールポイントになる情報があれば価格に反映されやすくなります。
管理規約
ペットの飼育の可否や、マンション特有のルールなどを確認します。
管理組合総会の議事録
主に管理費や修繕積立金に関する議題について確認します。
修繕積立金については、ほとんどのマンションが分譲時のまま段階増額方式を採用おり、値上げの計画自体が大きくデメリットになることはありません。
ただし、国土交通省が推奨する均等積立方式に移行している場合は大きなアピールポイントになります。
長期修繕計画書
マンション全体の修繕計画が順調に進んでいるかどうかを確認します。
近く大規模修繕が計画されていれば、一時金の有無なども確認します。
個別の事情がわかる書類
リフォームをした場合は工事内容がわかる書類
リフォームの内容や金額などがわかる書類があれば、履歴が明確になり、他の住戸と差別化しやすくなります。
住宅ローンの償還表(残債がある場合)
こちらは査定額自体には大きく影響しませんが、査定価格が残債額を下回る場合などに、売り出し価格を決定する際に参考にすることがあります。
権利証や登記関係書類
必ずしも査定の時点でご用意いただく必要はありませんが、媒介契約時には所有権の確認をすることになります。
固定資産税納税通知書
固定資産税額などを確認するための書類です。
まとめ
査定の一括サイトなどが増えたことで、手軽に自宅の価格を知ることができるようになりました。
一方、マンションでも個別の要素が大きく価格に影響することがあり、訪問査定によって大きく査定価格が変わることもあります。
査定には費用は一切かからないため、資産の現在価値を正しく把握するためにも訪問査定がおすすめです。
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